アジア・アウトリーチ・AR213
中国教会、宣教への前進
アジア・アウトリーチ香港主事:ジェームズ・チャック
バック・トゥ・エルサレムという宣教キャンペーンは中国北西聖書学院で在学中の学生たちによって1920 年代に 始められた。このキャンペーンの趣旨は中国とエルサレムの「間」に住む仏教徒やヒンズー教徒やイスラム教徒民族 に宣教師を送ることであった。このムーブメントは過去10 年〜 15 年間に中国国内において、そして国際的にも 新たに勢いをつけてきている。中国には推定1 億人ものクリスチャンがいるとされており、私たちが生きている間 にも大宣教命令が果たされる潜在能力がひめられている。世界宣教にまごころから献身する中国教会は、新しく今ま でになかったほどの宣教力となることが可能であり、そうならねばいけないだろう。
大宣教命令は個々のクリスチャンが担わなければ達成されるものではない。5万7千ある三自愛国教会(三自とは 教会が自分たち自身で治め、自身で経済的に支え、自身で増殖していくことを意味している)は、宣教にもっと関心 をもつべきである。これらの教会に所属するクリスチャンは、過去70 年以上もの長期間にわたって、宣教することや、 大宣教命令について十分に学ぶチャンスがなかった。それゆえ、宣教を実践しても来なかった。アジア・アウトリー チ(AO)香港は三自愛国教会と共に、ここ数年間働きを共にして来た。これらの教会には、大宣教命令を果たすた めの人材が多くあり、これを励まし、動機づけ、主のご用のために遣わす必要がある。
なぜならば、一億人いると言われるクリスチャンの中で新生したクリスチャンの数が8千7百万人、その内の4千万 人が三自教会に属しているメンバーだからである。
家の教会のクリスチャンは宣教ということを教えられてきた。ところが三自教会のクリスチャンたちは、ほとんど 宣教ということを教えられなかったのである。
最初の足跡
さて、そのような三自教会が宣教へ動き出そうとしている。これは、宣教の歴史にとって、 大きなことになるに違いない。
東マレーシア・イバン族宣教
さて、ここは、東マレーシア。長屋の廊下には、70 人から80 人のイバン族が座っている。イバン族教会の賛美 チームはいつでも始められる準備ができていた。中国の三自教会からやってきたチェン牧師が、これから取り次ぐ メッセージの長さについて、AO 東マレーシアのベニー牧師に尋ねた。答えは期待していたものとは違っていた。「こ の人々には、とても簡単な言葉や方法で教えてください。あなたは中国からお越しくださった初めての先生で、あな たが中国で、どのようにしてキリストを信じるようになったのかを、あかししていただきたいのです。」
チェン牧師は中国本土で聖書教師をしていたが、このところでメッセージすることを前日に知ったそうだ。ジャン グルではインターネットやコンピュータ―が使えなかったので、メッセージの内容は記憶しているところから考えた。 しかも短い賛美の間に、もう一つのメッセージを急いで考えることになった。チェン師は、グループを十分に励ます ことのできる通訳者を通して、短いメッセージを取り次ぐことができたのだ。
実は5 月中旬ごろ、AO マレーシアとの協力のもと、AO 香港は中国本土から5 名の神学者を招いた。彼らに 中国国内や世界中の失われている魂に対する重荷を、共に担っていただくためであった。5 名の先生たちは、文化を 超えた宣教に取り組んでいる教会の活動を見ることができた。またこのことを通して、自分たちがこのような宣教に 関わっていないことについて、自らの教会に欠けている部分に気づくことができた。聖書学校の神学者たちは、早い 段階から生徒たちがマレーシアにおいて実習科目として、「宣教」を学ぶことができる期待を持ち帰った。
クアラ・ルンプールで4 泊し、多数の教会を訪問したのちに、このチームはサラワクにあるシブへと旅を続けた。 さらに、自動車と船にゆられて一時間ほど旅をし続けて、一団はクアラ・ベラワイへと到着した。ここで彼らはイバ ン族と一晩を過ごし、彼らと交わり、ともに奉仕をしたのである。ジャングルの奥には原住民が住んでいた。イバン 族にとって中国人神学者たちと出会う初めての経験となったのである。
中国からの牧師がイバン族を訪問した目的は、自分たちの生徒たちが将来的に実習する可能性のある土地を査察す るためであった。まさに、民数記13 章に登場する12 人の斥候のようだ。神を賛美しよう。彼らは現代のカレブ、 またヨシュアである。今後も中国人たちによる同様の訪問が計画されている。
主導権を握る中国
政治的にも経済的にも、中国という国家は様々な分野で主導権を握っている。2013 年、中国はシルクロードに沿っ て「一帯一路」といわれる計画を先導的に打ち出した。過去二年において、関係する各地域が協力しあい、これを共 に計画して行くなかで、すばらしい将来を受け入れていくことが出来るようになった。実は、この計画の範囲が、福 音が最も届けられていない地域や民族を含んでいるのだ。すなわち、中国の北京語を話す人々が、文化を超えてあか ししていくすばらしい機会が訪れようとしているのだ。このように新しい計画の背後に、神がおられることは確か だ。中国の教会は今後、宣教において主導権を握るだろうか。AO香港は過去5 年にわたり、三自教会から文化を 超えた宣教を発信して行くための、火ダネをつけようとしてきた。読者のみなさんに、宣教の火が灯るように、祈り による協力をお願いしたい。
みなさんが過去10 年間、中国の宣教のために祈ってきてくださった。そして、中国に魂の収穫があたえられ、そ の祈りが聞かれたのである。今後、中国に第二のリバイバルが訪れ、アジアの国々や民族の中から魂を収穫するため に、多くの中国人クリスチャンが訓練され、宣教地へと遣わされるように、続けて祈っていただきたい。チェン牧師 と彼の同僚たちとが最初の足跡をイバン族の村に残した。宣教地の人々が、神が用意してくださっている祝福に対し て、好意的に応答するように祈っていただきたい。
アジア・アウトリーチ
アジア・アウトリーチ・ジャパン・・・アジア・リポート No.213
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OCTOBER - DECEMBER 2015.