アジア・アウトリーチ・AR221

 世界宣教においてどの側面に集中するべきだろうか。目標達成のために有効な方法とは何か。ビジネス的に言えば 教会やクリスチャン団体による宣教活動において投資額に対する収益率が最も良い方法とは何か。
 21 世紀において世界宣教をいかに進めていくべきなのか。これは世界中の宣教師や団体の間で最も重要な話の内 容である。アジア圏については特にそうだ。貧困層に対する働きである地域開発に集中すべきか、それとも教会開拓 に集中し人々がキリストを信じて弟子をつくることを優先させるべきか。論争に発展しかねないような大きな課題だ。
 アメリカ合衆国では、宣教献金の90% が貧困に苦しむ人々を助けるために用いられているそうだ。貧しい人々を 助けることが重要であることは周知の事実だ。またマニュアルを渡すだけではなく、互いを助け合うように教え、自 分自身だけではなく互いを支えあうことを伝えることで悲惨な状況下にある人々が助けられていることが証明されて いる。
 しかし、マタイ28:18-20 の大宣教命令はどうだろうか。イエス様はキリストの弟子をつくり、その弟子が新たな弟 子をつくることこそが優先されるべきことであると仰せられた。
 この問いに対して私とアジア・アウトリーチ・オーストラリアが出した答えは「両方」であって、「どちらか」で はない。人々が真実に強められ、本当に変化するには、人生のすべての領域において健康でなければならない。すべ ての領域とは肉体的、経済的、精神的、社会的、感性的、そして霊的な領域だ。この目標が世界宣教において達成さ れるには、貧困に対する緊急援助だけでは不十分である。主からの大宣教命令に包括的に、継続的にそして変化を与 えるような方法で従わなければならない。
 神の福音を宣べ伝えつつ、人々に良いことを行うことに集中しなければならない。世界宣教のために、特にアジア で現地の人々と協力すると、真実な変化とともに有効な弟子訓練が行われるだろう。新しく弟子となった者たちが家 族や友人、同じ村の人々や同僚や隣人に神の福音を宣べ伝えるのだ。このようにすればマタイ28:18-20 の大宣教命 令とマタイ22:34-40(隣人を愛せよ)という二つの重要ないましめの両方が成就すると信じる。
 またこのようにすることで、ルカ4:18、19 にある「福音が貧しい人々に」という部分が、たましいを永遠のいの ちに勝ち取ること以上の意味を持っていることが確証される。「神の国」が個人、家庭、社会、国家の中で具現化さ れていくこと見ることになるだろう。 (次号に続く)



アジア・アウトリーチ

アジア・アウトリーチ・ジャパン・・・アジア・リポート No.221

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OCTOBER - DECEMBER 2017.