アジア・アウトリーチ・AR241
~ふたりはひとりよりもまさっている~
     アジア・アウトリーチの心

      ピーター・ウー アジア・アウトリーチ議長  

 読者のみなさまとの協力関係はまさに伝道者の書4章9節~12節に記されている関係です。  「ふたりはひとりよりもまさっている。ふたりが労苦すれば、良い報いがあるからだ。どちらかが倒れるとき、 ひとりがその仲間を起こす。倒れても起こす者のいないひとりぼっちの人はかわいそうだ。 また、ふたりがいっしょに寝ると暖かいが、ひとりでは、どうして暖かくなろう。もしひとりなら、 打ち負かされても、ふたりなら立ち向かえる。三つ撚りの糸は簡単には切れない。」

 神様が私たちをご自身のものとして招いてくださった時、私たちはキリストの体なる教会の一部として加えられました。 私たちはお互いを必要としていることを最初から学ぶのです。この関係は、私たちの身体にある様々な器官が、 お互いを必要としているのと同じことなのです。誰かを助けるために神様が用いてくださることは、 私たちに深い満足感を与えます。みなさまのご支援によって支えられている働き人たちの宣教について報告できることは、 いつでも私たちにとっての喜びです。今回はチャールズ・エドヴィン牧師について紹介しましょう。

 チャールズ師は2005年に使徒的宣教使命学校(Apostolic Faith Mission : AFM)を卒業してから、 テニ宣教基地において主に仕えました。師はそこで奥様のポールニマ姉に出会い、2人の子どもを授かりました。 師はその後、子どもたちのためにより良い教育環境を求めて町へと引っ越しました。コイムバトレの町に定住した師は、 そこにおいてミニストリーを開始しました。ところが当時、チャールズ師が得ていた収入は都会暮らしをしていた家族を 養うのには不十分でした。不幸にも、2019年にはインドにも新型コロナウィルスが感染拡大し、 都会暮らしの状況はますます悪化してしまいました。ある日チャールズ師が祈っていると、主はインドの山岳地を示され、 そこに住んでいる人々に福音を伝えるようにとチャールズ師に語りました。将来について心配しながらもチャールズ師は 主に従いたいという思いから、家族を伴ってとても貧しい山岳地帯の村に引っ越しました。 主はカダンブルという村を示されたのです。

 チャールズ師たちがこの村に定住しミニストリーが始まってしばらく経つと、迫害がやってきました。 ヒンズー教の政党を熱心に支持する警察官が、チャールズ師たちがヒンズー教徒をキリスト教徒に回心させることを 厳しく禁じたのです。チャールズ師は冷静に対応したものの、村人たちや共産党員までもが、 みなこの警察官を支持していたことに驚きました。チャールズ師が日曜日の礼拝を準備していると、 ヒンズー教の政党が同じ時間に集会を開いて村人たちをそこに集めました。日曜礼拝は行ってはいけない、 と言われたのです。

 迫害を忍耐したチャールズ師は、その後もあきらめずに伝道を続けました。今、師の教会には40名の信徒が与えられています。 このほかにチャールズ師は、村から30キロメートルほど離れた別のアンチュールという村において、新しい教会を開拓しました。 そこには現在30名の信徒が与えられています。この教会には別の村々からも大勢の信徒たちが集まっています。 日帰りで通えないため、彼らは教会で一泊して次の日に帰ります。チャールズ師は彼らに夕食を準備して主に仕えています。 チャールズ師の収入は少ないものの、師の心は大きく、主がすべての必要を満たしてくださると信じています。 チャールズ師は、一度も会ったことのない人々からの金銭的な支援によって生活しています。ですから、 他の人を助けることを、当然と思って熱心に主に仕えているのです。

 迫害や大変なことは数多くありますが、チャールズ師は山岳の村に来たことを一度も後悔したことはありません。 それは、キリストの福音を信じて救われるべき魂がそこにあるからです。チャールズ師にとっての喜びと報酬は、キ リストを信じた人々の人生が変えられていくのを見ることです。村の人々の生活が向上するため、チャールズ師は夫 人と一緒に、大人のための識字講座を開いています。村人のうち字が読めない大人が90% もいるからです。また、 チャールズ夫人は洋服の仕立ての学位を所有しています。裁縫教室を開校したところ、50 名もの女性が受講希望を しています。このため、奥様は十分な数のミシンが与えられるようにと祈っています。これに加えて奥様は家内工業 を通して、シャンプーや洗剤や清掃用の薬の販売を計画しています。

 チャールズ師と師の家族はこの村にとって大きな祝福となっています。二人を通して示されている神様の愛によっ て、村人たちはキリストに出会い、祝福された新しい人生へと導かれています。二人は主がここに召してくださった と信じているので、主がご自身のご計画に従って、神様の栄光を現す実を、豊かに与えてくださると信じています。 主は私たちが自分で定める限界点の上へと導いてくださることがよくあります。自分自身の能力では達成不可能だと 思えることに対しても、主は招いて行う力を与えてくださいます。課題を乗り越えていくための恵みとともに、必要 なものや手段をも主は備えてくださるお方なのです。主が私たちに願っておられるのは、働きの結果は主にゆだねて、 ただ主に仕えることです




アジア・アウトリーチ・ジャパン・・・アジア・リポート No.241

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OCTOBER - DECEMBER 2022.